【週間GamePicks】~この1週間のゲーム業界を振り返る~
今週から週に1度、その週のゲーム業界注目のニュースを紹介していきたいと思います。来週からは毎週金曜日に更新していきます!
▼今週1週間の振り返り!
7月4日
『逆転裁判6』がソフトランキング首位を獲得!2016年6月のソフト・ハード売上ランキング速報を発表
http://www.famitsu.com/news/201607/04109975.html
ネクソン,元カプコンのスタッフが立ち上げた山椒Studiosと
戦略的パートナーシップを締結。「Match&Slash」のグローバル独占配信権を獲得
http://www.4gamer.net/games/999/G999905/20160704049/
7月5日
【人事】サイバード、堀主知ロバート代表取締役社長が退任…顧問に就任へ
新たな代表取締役社長には内海州史氏が就任
セガ、フランスのゲーム開発会社Amplitude Studiosを買収
欧米向けPCゲームを強化
http://japan.cnet.com/news/business/35085396/
7月6日
クルーズ、グリフォンとスクエニとの協業タイトル『ミリオンアーサー エクスタシス』を位置情報サービスPF「コロプラ」で配信へ
7月7日
KLabとブシロード、『ラブライブ!スクフェス』で
初の売上ランキング首位などを記念したプレゼントを実施
【新作】Android版『ファイナルファンタジー7』配信開始!“クラウド”や“ティファ”がスマホで蘇る
http://app.famitsu.com/20160707_768260/
▼記事おすすめ
『ネクソン、山椒Studiosと戦略的パートナーシップの締結を発表。日本のゲーム開発会社では初事例!』
『ネクソン、戦略的パートナーシップ締結の背景にあるものとは?』
「e-Sports」のプロゲーマー、気になる収入はいくら?
ネクソン、戦略的パートナーシップ締結の背景にあるものとは?
前回の記事でネクソンが山椒Studios合同会社と日本のゲーム開発会社では初となる戦略的パートナーシップを締結したことを発表しました。
今回は、ネクソンの提携の背景について取り上げていきます。
提携の背景
①提携の1つ目、「協業」の背景としてはネクソンの日本国内のモバイルゲームの売上高減少にあります。
日本におけるモバイルゲームの売上高減少
(単位百万円)
(画像:ネクソン2016年第1四半期決算説明資料より作成)
ネクソンの日本での売上高はモバイル、PCともに右肩下がりの状況です。
2016年第1四半期(1~3月期)モバイルの売上高は前年同期比で21%減の36億円、PCの売上高は前年同期比で27%減の10億円となっています。円高といった為替の影響による売上高減少は否めないものの、モバイル、PCともに現状を打開するようなヒット作が出ていない状態です。
そして、日本のネクソンの売上高の特徴として、モバイル比率の高さが挙げられます。ネクソン全体のプラットフォーム別売上高(2016年第1四半期)ではPC78%、モバイル22%という構成になっています。それに対し、日本の売上高の構成比率(2016年第1四半期)はPC22%、モバイル78%となっています。ユーザーの利用するデバイスがPCからモバイルに変化する中、日本国内におけるPC市場の成長性は期待できません。そのため、モバイル市場における競争力強化が不可欠というわけです。
今回の山椒Studiosとの協業は、本格的に日本国内のゲームの開発力を強化し、日本のモバイルゲーム市場で生き残っていくための手段と考えられます。
②提携の2つ目、「山椒Studios制作の新作ゲームのグローバル独占配信権獲得」における目的は売上構成比率の高い海外事業のさらなる強化にあります。
売上構成比率の高い中国・韓国
上記画像からわかるように、ネクソンの売上高の9割は海外が占めています。
特に、中国で稼ぐ傾向が強まっています。地域別の売上構成比率を見ると、2016年第1四半期(1~3月期)は中国が258億円と、全体(574億円)の45%近くに達しました。2015年度第4四半期(10~12月期)の中国における売上高構成比率は40%以下であることを考えると、中国ゲーム市場での売上高増加が今後の鍵となりそうです。中国ではPCアクションゲーム『アラド戦記』が人気で、スマホ版も準備中です。
韓国での全体の売上高は前年度と比べて堅調な推移となっています。しかし、モバイルゲームの売上が好調で、2016年第1四半期の売上高は前年同期の約2倍の68億円となっています。
山椒Studiosによるモバイルの新作パズルゲーム『Match&Slash(仮称)』は、今後、韓国を中心に、その後は中国で配信されるのではないでしょうか。
その他のパートナーシップによる海外事業の強化
ネクソンは今回の山椒Studiosとの提携以外にも下記のように世界中のゲーム開発会社やIPホルダーとのパートナーシップを構築しています。
ライセンス契約:
‒ Warner Bros.グループとの『LEGO®モバイル』
‒ EA及びRespawn Entertainmentとの『TitanfallTM』(PC)
‒ SQUARE ENIXとの『FINAL FANTASY XIモバイル』の共同開発パブリッシング契約:
‒ EAとの『Need for SpeedTM Edge』(PC)
‒ Respawn Entertainment及びParticle Cityとの『TitanfallTMモバイル』
‒ Bluehole Studioとの『TERATMモバイル』
‒ QC Games初のPCタイトル(ネクソン2015年第4四半期決算説明資料より引用)
まとめ
ユーザーのゲームをするデバイスが変化する中、日本のモバイルゲーム市場でネクソンは苦戦を強いられています。今回の山椒Studiosとの戦略的パートナーシップによって果たして日本の売上高減少を食い止めることができるのでしょうか。2016年下半期には月に1本ペースで新作のモバイルゲームを日本市場向けに投入していくようなので、その動向に注目です。
また、ネクソンは世界中のゲーム開発会社やIPホルダーと、ライセンス契約やパブリッシング契約を結ぶことによって世界における配信会社としての地位を確立するのかもしれません。
ネクソン、山椒Studiosと戦略的パートナーシップの締結を発表。日本のゲーム開発会社では初事例!
「オンラインゲームはネクソン」のフレーズで知られるオンラインゲーム配信事業を手掛けるネクソン。
そのネクソンが昨日、山椒Studios合同会社と戦略的パートナーシップを締結したことを発表しました。ネクソンが日本のゲーム開発会社と戦略的パートナーシップを締結するのは初めてのことです。
そこで、今回は、ネクソン、山椒Studiosの企業概要と戦略的パートナーシップの内容について記載します。
次回、提携に至った背景やネクソンの今後の展望について取り上げます。
ネクソンとは
(画像:ネクソンHPより引用)
ネクソンは、韓国ソウルに設立され、2005年に日本へ本社を移転、2011年12月に東京証券取引所第一部に上場しました。創業以来、オンラインゲーム、モバイルゲーム及びソーシャルゲームを制作・開発、配信してきました。代表作『メイプルストーリー』、『アラド戦記』、『カウンターストライクオンライン』、『マビノギ』及び『サドンアタック』といったネクソンが提供するゲームタイトルは、ジャンルが幅広く、世界中の多様なユーザーに利用されています。現在では、約100に上るゲームタイトルを配信し、アジア・北米・南米・欧州を初めとする190を超える国と地域にてサービスを展開しています。
山椒Studiosとは
(画像:山椒Studios twitterより引用)
山椒Studiosは、株式会社カプコンで『モンスターハンター』や『バイオハザード』などの主力作品の開発に携わり、かつモバイルゲームの開発においても豊富な実績のあるメンバーが独立して立ち上げたゲーム開発会社です。事業内容はゲームソフトの企画・開発・販売となっています。企画からプロジェクトの実行に至るまで、包括的なサービスを提供できる強みを活かし、世界で反響を得られるようなコンテンツを開発するという目標を掲げています。
発表されている戦略的パートナーシップの中身
①「ネクソンと山椒Studiosがゲーム開発において協業する」
ネクソンは2016年下半期に、月1本以上のペースで、日本市場向けに新作モバイルゲームを配信開始していく予定です。そのため、山椒Studiosとゲーム開発を協業で行い、質の高いゲームを制作していくようです。
②「山椒Studiosが制作したモバイルの新作パズルゲーム『Match&Slash(仮称)』のグローバル独占配信権をネクソンが獲得する」
ネクソンは、長年培ってきた「基本プレイ無料(free-to-play)」のノウハウやグローバルな事業基盤をもとに、『Match&Slash(仮称)』をグローバル配信していきます(配信予定時期は未定)。
次回の予告
オンラインゲームでの覇者”ネクソン”はどのような背景があって山椒Studiosと提携したのでしょうか。次回、提携に至った背景やネクソンの今後の展望について取り上げます。
「e-Sports」のプロゲーマー、気になる収入はいくら?
「e-Sports」とは、「Electronic sports」の略で、コンピュータゲームで行われる競技のことです。近年、高額賞金のかかったプロの大会が大きく取り上げられ、世界的に盛り上がりを見せています。
調査会社Newzooによると、世界の「e-Sports」の市場規模は、2016年には前年度43%増の4億6300万米ドル(約500億円)に達するそうです。2019年までには11億米ドル(1200億円)規模に成長すると予想されています。
日本でも「e-Sports」は盛り上がりの兆しを見せています。今回は日本初の「フルタイム勤務・月給制」のプロゲーマーチーム「DetonatioN Gaming」とそこで働く選手の生活を取り上げます。
「DetonatioN Gaming」とは
(画像:DetonatioN Gaming HPより引用)
2015年1月設立の「DetonatioN Gaming」は、チームメンバー(マネージャー含む)が共同生活を行う「ゲーミングハウス」を立ち上げ、また日本のプロチームとして初の「フルタイム勤務・給料制※」を導入しました。チームに所属する選手たちは、職業として「ゲーマー」を選び、給料をもらいながら生活をしています。この制度を始めたきっかけは、選手の生活を安定させた上で世界を目指すためだそうです。
※「LoL部門チームDetonatioN FocusMe」は、2015年2月より国内初「フルタイム・給与制」となっています。
チームの収入源
プロゲーミングチームの収益となるものは大会の賞金、スポンサー料、イベント出演料、そして動画配信ビジネスの4つです。従来のスポーツと大きく異なるのが動画配信です。動画配信では、プロゲーマーによる試合の模様を配信し、ユーザーとも直接コミュニケーションをとることができ、安定した収益源となっています。
プロゲーマーの生活は過酷!?
(画像:ライフネットジャーナルHPより引用)
選手の活動は12時のミーティングから始まるのが日課で、昼食をとったあとは個人練習の時間となります。ゲームの大会は1月からシーズンが始まるため、開幕直前期は海外のチームとの練習試合を日に1,2試合を行います。試合後には反省会を行い、さらに個人練習時間を終えて、夜中になると各自就寝するという生活です。
選手は平日10時間練習を行い、週末は大会に出場するか、休日に充てるかという生活をしています。
月給は「高卒~大卒初任給」程度
給与額は大会の実績のほか、練習や生活態度も考慮したうえで決定されます。月給はおよそ「高卒~大卒の初任給くらい」と言われています。さらに、大会で勝ち取った賞金やイベントへの出演料などの臨時収入は、ボーナスとして分配されます。「DetonatioN Gaming」所属の選手数人はすでに同年代の一流企業社員を大きく上回る収入を得ているそうです。
尚、韓国e-Sports協会によると所属するプロ選手40人の平均年収が約700万円、北米のアマチュアトップリーグの選手ではボーナス等を含めて870万円以上の年俸を手にしていることが明らかになっています。
まとめ
今回、国内の「e-Sports」の現状を選手とチームの運営会社という視点から取り上げました。韓国や欧米に比べると、まだまだ発展途上な日本の「e-Sports」業界。その背景にあるのは「ゲームは趣味」という社会常識だったのかもしれません。しかし、日本においても「フルタイム勤務・月給制」という新しい仕組みができ、「ただのゲーム好き」は職業としての「プロゲーマー」に昇格したのです。日本でも着実に広まりつつある「e-Sports」に今後も目が離せません。
「e-Sports」先進国の韓国、普及の理由はネカフェ!?
みなさんは「e-Sports」という言葉をご存知でしょうか?
聞いたことはあるけれど、具体的には何か知らないという方が多いのではないでしょうか。
「e-Sports」とは
(画像:Economy Decoded HP)
「e-Sports」とはElectronic Sportsの略で、コンピュータゲームやビデオゲームで行われる競技のことです。高額な賞金のかけられた世界的な規模で行われるプロフェッショナルな大会から、アマチュアまで競技が行われており、ジャンルやゲーム毎にプロチームやプロリーグが多数あります。競技人口は全世界で5500万人とも言われています。
そこで今回は各国の「e-Sports」を取り巻く環境について取り上げます。
韓国ではプロゲーマーのメッカといっても過言ではないほどe-Sportsが盛んに行われています。世界中の大会で韓国人プレイヤーが上位を総なめすることもあるようです。
「e-Sports」先進国の韓国
(画像:ファミ通.com HP)
韓国では大手企業が「e-Sports」のチームを持つことが主流になっています。プロ野球やJリーグのような形式が多く、企業側から監督やマネージャー、コーチなどを派遣して、会社の事業のひとつとしてチームをマネジメントしています。
(画像:ファミ通.com HP)
「e-Sports」流行の背景
韓国では国策として「ブロードバンドを充実させる」という考えのもと、国からの潤沢な支援によりオンラインゲームを行う人口が非常に増えました。2000年代初頭には、ネットカフェで学生や社会人が皆『StarCraft※1』をプレイする光景がよく見られました。『StarCraft※1』人気とともにその大会が催され、「e-Sports」の人気が伸びました。大会での八百長事件などの問題により一時的に「e-Sports」の人気は低迷したものの、昨年『League of Legends※2』がヒットし始めたのを皮切りに再び韓国の「e-Sports」は盛り上がりをみせています。
※1 宇宙での3つの種族(人間、エイリアン、宇宙人)間の戦争がテーマとなっており、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、勢力争いを行うPCゲームです。世界で最も多く売れたRTSゲームタイトル(戦略性に重点を置いたシミュレーションゲーム)として2009年06月にギネス認定されています。
※2 5vs5のチームバトルで仲間と協力して相手陣地にあるターゲット(拠点)を破壊することが目的のPC専用オンラインゲームです。総プレイヤー人口は約7000万人超えと言われています。
アメリカ、ヨーロッパでの「e-Sports」
(画像:Economy Decoded HP)
アメリカやヨーロッパでは、個人でチームを作り、会社として設立・マネジメントをして、そこに対してスポンサーをつけていくという流れが主流となっています。
企業に「e-Sports」のチームや「e-Sports」に対する支援がなかった背景としては、企業側の「e-Sports」に対する認知の低さがありました。個人でチームや会社を作るという地道な活動により「e-Sports」の人口が増え、その配信に多くの人が集まり、ようやく企業が認知をしていきました。人が集まることで「e-Sportsには広告価値がある」と企業側が理解し、現在の盛り上がりがあるのです。
「e-Sports」後発の日本
(画像:SCARZ HP)SCA
日本の「e-Sports」チームはアメリカやヨーロッパと同様に個人からチーム、会社として活動していく状況です。「ゲーム=スポーツ」という文化が生まれなかった日本では、ゲームソフトメーカー主導の個別タイトルによるゲーム大会は行われていたものの、「e-Sports」のような大会は小規模開催に留まり世界からは「e-Sports」後進国と認知されている状態です
ようやくプロゲーマー専門学校等が開校され、これから「プロゲーマー」による「e-Sports」が広がっていく段階といえます。「DetonatioN」、「DeToNator」などのプロチームも発足され始め、国内イベントもレッドブルが主催する「Red Bull 5G」を筆頭に大小さまざまなイベントが行われています。
まとめ
今回、各国の「e-Sports」の背景や状況を取り上げました。世界における「e-Sports」の認知や理解は日本を大きく上回ることがわかりました。韓国では将来のなりたい職業ランキングトップ10に「プロゲーマー」が入るほど「e-Sports」は人気のようです。日本でも今後そのようなことが起こるのでしょうか。非常に興味深いところです。
さて、次回は「e-Sports」で生計を立てるプロゲーマーの生活や運営会社に焦点を当てます。
スーパーセルを買収したテンセントとはどういう会社なのか?今後の狙いとは
スーパーセルの買収やガンホーとの『パズドラ』共同開発、テンセントとはいったいどういう会社なのでしょうか。
テンセントの事業拡大の方法と今後の展開を考えていきましょう。
テンセントとは
テンセントは、1998年11月に設立され、中国に本社があります。インスタントメッセージングツール「テンセントQQ」、LINEより多機能といわれる「WeChat(微信)」、中国全体でのユーザー数は最大とも言われているSNS「Qzone」、ミニブログ「騰訊(テンセント)微博」などを提供しています。
テンセントはアリババと共に中国最大のIT企業の一つとも言われています。
2004年には、テンセント・ホールディングスは香港証券取引所に株式上場を果たしました。
テンセントのこれまでのゲーム企業に対する出資・買収
・2015年、人気オンラインゲーム「リーグ・オブ・レジェンズ」の開発元の米Riot Gamesを買収
・米ゲーム会社Pocket Gemsに6,000万ドル(約63億円)出資
・米エンターテイメント会社Glu Mobileに1億2,600万ドル(約132億円)出資
・韓国のCJ Games Corpに4億9,400万ドル(約516億円)出資
今回、グローバルゲーム市場で勢力拡大を図る中国のテンセントがフィンランドのゲーム会社スーパーセル(Supercell)を買収しました。
今回のスーパーセル買収
テンセントは6月20日、人気モバイルゲーム「クラッシュ・オブ・クラン」の開発・運営を行うスーパーセルの株式を84.3%を86億ドル(約8,990億円)で取得すると発表しました。スーパーセルは全世界で1億人のアクティブユーザーを擁しており、テンセントは欧米でのモバイルゲームを展開する大きな足掛かりを得ました。
まとめ
テンセントは海外事業の拡大を急いでいます。その背景には、アジア以外での売上高の少なさにあります。今年のスーパーセルのアジア以外での売上高は20億ドル(約2,090億円)を超える見通しで、それはテンセントの昨年のアジア以外の売上高13億ドル(1,360億円)より多くなっています。
中国のゲーム市場は急成長中ですが、その勢いは減速に向かっているという声もあります。中国のゲームの市場規模は84億ドル(約8,780億円)と予測され、前年比18.4%増となっています。しかし、その成長率は2017年に8%、2018年には6.5%まで縮小する見込みです。このような状況を踏まえ、海外事業を積極的に拡大しているのです。
ガンホー、モブキャスト、中国スマホゲーム市場に挑む!
このところ相次いで、日本企業による中国のスマホゲーム市場への進出が目立ちます。そこで今回、新規で中国向けに配信するスマホゲームの開発状況を取り上げていきます。
下記、2016年6月中に発表された日本企業の中国でのスマホゲーム配信状況やその予定です。
ガンホー
(画像:ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社HPより引用)
ガンホー社は大ヒットスマホゲーム『パズル&ドラゴンズ』の中国版を中国のIT企業Tencent(テンセント)社と共同で開発を進め、7月中にAndroid 版iOS 版の正式サービスを開始することを発表しました。『パズドラ』の中国展開は、北米、韓国、台湾、香港に続きます。ガンホー社は中国版『パズドラ』において、テンセント社との共同企画により、中国ユーザーの嗜好に合わせた改変を行っています。
モブキャスト
(画像:株式会社モブキャストHPより引用)
モブキャスト社は「魔法少女まどか☆マギカ」のスマートフォン向け新作ゲームの中華圏(中国、台湾、香港、マカオ)初となる正式ライセンスを取得し、中国アニメ配信大手のbilibili (ビリビリ)社と共同開発の下、2016年内に中華圏にて配信開始を予定しています。
ゲームは、原作IPの世界観とキャラクターを徹底して保持しながら、中華圏ユーザーの特性に合わせたゲームの開発がなされました。これにより、「日本企業だけで開発されたゲームは中国ユーザーの特性に合わない」という課題や、「中国企業だけで開発されたゲームは日本のIPの世界観・キャラクターを十分に再現できない」という課題を克服した、完成度の高いゲームに仕上げています。
リベル・エンタテインメント
(画像:株式会社リベル・エンタテインメントHPより引用)
リベル・エンタテインメント社とbilibil(ビリビリ)社は、『アイ★チュウ』において55万人以上の事前登録者数を集め、6月23日に中国におけるiOS版の配信を開始したことを発表しました。リベル・エンタテインメントは配信前から事前登録キャンペーンとしてbilibili生放送や招待イベントを行っています。
※bilibili社とは
bilibili社は、二次元領域に専念し、ゲームのパブリッシングや共同開発、ゲームグッズデザインや生産販売など様々な領域に事業展開しており、中国最大級の二次元ゲームプラットフォームを目指しています。
まとめ
各社とも中国企業と共同で開発を行い、中国現地でのローカライズを徹底して行っています。各企業が中国スマホゲーム市場進出の背景には、同市場の成長性と市場規模の大きさにあります。同市場は、2015 年に 541 億人民元(約 9,029 億円、出典:易観)にまで成長し、今後も2019 年まで成長を続けると言われています。