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国内外のスマホゲーム市場の分析や最新情報を発信するメディアです。著者は港区のスマホゲーム会社勤務中。

日本人はやっぱりRPGがお好き?~日本のモバイルゲーム市場の特徴~

こんばんは。まえすけです。

 

昨日の続編です。

昨日は、日米のモバイルゲーム市場を比較しました。今回は日米比較も行いますが、特に日本のモバイルゲーム市場の特徴を取り上げます。今回も調査会社App Annieのレポートを参考にしています。

 

日本のモバイルゲーム市場の特徴は下記4点です。

1.日本ゲーム市場ではGoogle PlayiOS App Storeと同程度マネタイズに成功している

2.日本のモバイルゲームプレイヤーは、米国と比べて高いエンゲージメントを示している

3.現地企業で開発されたゲームが、日本で生み出された収益の大半を獲得している

4.RPGがエンゲージメントと収益を独占している

 

1. Google PlayiOS App Storeの両方がマネタイズに成功  

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・米国におけるゲーム収益は、多くの市場と同様にiOS App Storeに偏っている

・日本では、Google PlayiOS App Store両方のストアが同程度好調に収益を上げている

 

2. 日本のアプリユーザーのゲームへの高いエンゲージメント  

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・日本のアプリユーザーは、ゲームの総利用時間が米国のユーザーと比べて3倍以上となっており、アプリの利用時間全体に占めるゲームの割合は、2倍以上となっている

・日本のモバイルゲームプレイヤーは、エンゲージメントが高いグループだと言える

 

3. 日本製アプリが日本で生み出された収益の大半を独占

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・2015年、日本におけるゲーム収益の90%以上が、日本企業によって生み出された

・米国では現地企業が生み出す収益の割合は50%を下回っている

・日本に拠点がない他国のゲーム会社は、ローカライズに重点を置く必要がある
(日本人の好みのデザイン、ゲームプレイ、声優にし、ガチャでのアプリ内購入や期間限定のイベントなど、日本で好まれているゲーム手法を取り入れる必要がある)

 

4. 他のどのジャンルよりマネタイズの効率とエンゲージメントが高いRPG     

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RPGは2015年には日本におけるモバイルゲーム収益のほぼ75%を占めている(特に、モンストとパズドラが人気であった)
・収益トップ200のゲームをすべて合わせた利用時間のうち約50%をRPGが占めている
RPGは日本市場におけてユーザーのマネタイズの効率とエンゲージメントが高い  

 

思うこと

 今回の日本のモバイルゲーム市場の調査で、日本人はゲームが本当に好きで、特にRPGに目がないということが分かりました。RPGの歴史を振り返ると、世界最古のRPGは1970年代半ばに作られたと言われています。日本でも1980年代に「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」が人気を博しました。それ以降もデバイスは変われどRPG人気は途絶えることなく、現在まで継続しています。今後はVRの分野でRPGの本領が発揮されるのではないでしょうか。