ソフトバンクが売却予定と噂のスーパーセルってどういう会社? ~CMでも有名な「Clash of Clans」の開発会社~
ソフトバンクグループがフィンランドを拠点とするスマートフォン向けゲーム子会社スーパーセルの保有株式の売却を検討していると各種メディアで報道されました。売却先として中国IT大手のテンセントが浮上しています。スーパーセルの時価総額は5000億~6000億円規模とされるため、売却額は数千億円規模になる可能性があるようです。
1日のゲーム利用者数が1 億人以上と言われるスーパーセルってどんな会社?
スーパーセルは2010年にフィンランドで設立され、タブレット端末やモバイル端末向けのゲーム事業を展開しています。村を敵から守りながら発展させていくゲームの「Clash of Clans」や農場を経営する「Hay Day」などのヒット作品があります。「Clash of Clans」は122ヵ国で iPad ゲームの売上第1位、「Hay Day」は78ヵ国でiPad ゲームの売上第1位を記録しました。
2015年度の売上高は23億2600万ドル(日本円で約2600億円)で前年(17億7700万ドル)の30%増加となっています。社員数はわずか180名。
大ヒットの秘訣は『少人数チームでの開発』と『超自由な社風』
Supercell が学んだ大ヒットの秘訣は、むしろ小さくなることでした。すなわち少人数チームでの開発です。どれくらい少人数かって?「クラッシュ・オブ・クラン」も「ヘイ・デイ」も、それぞれたった 6 人ほどの開発チームが作り出したゲームなのです。ややこしい上下関係や組織構造なんてありません。抜群の才能をもつアツいスタッフが自分のクリエイティビティを追求できる「自由」があるだけです。
スーパーセルではゲームのアイディアの発案から制作までをチーム内で行います。ゲームが完成すると、まずカナダのApp Storeでリリースし、ヒットするとグローバル展開していくという仕組みです。配信停止も経営層が判断するのではなく、開発チーム自らが行っていきます。
プロジェクトが失敗した場合は、関わったメンバー全員にシャンパンのボトルが贈られるという独特の習慣もあります。社員は毎日何をするかを基本的に自分で決めることができます。その自由な社風から、創業者兼CEOのIlkka Paananen氏は“世界で最も権力の無いCEO”とまで言われているようです。
まとめ
トップダウンで経営が進められている企業が多い中、スーパーセルでは整理された仕組みの中で少数の開発チームが自由に開発を行う環境が整っています。一概に少人数のチームで現場に任せることで成功するわけではないと思いますが、ひとつの模範例となるのではないでしょうか。