応援上映ってなに!?「キンプリ」の中毒性に迫る!
巷で話題の「キンプリ」。
一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ここ数か月、ネット上で「こんなアニメ見たことない」、「応援上映やばい」など何度も関連するツイートがトレンドワード入りしました。「キンプリ」は当初の予想をはるかに上回る異例のロングランを記録、興行収入を伸ばし続けています。
それでは「キンプリ」ヒットの理由を探っていきたいと思います。
「キンプリ」とは?
「キンプリ」は「KING OF PRISM by PrettyRhythm」の略で、10代の男の子たちがスターを目指して切磋琢磨するアニメ作品です。今年1月、東京や大阪など僅か14の映画館で上映が開始されましたが、ネットを通じて人気が広がり、上映する映画館は6月1日現在で、全国延べ100を超えています。通常、1か月程度で終わる上映期間も6か月を超えるなど、異例のロングランを続けています。
ヒットのきっかけは「応援上映」と来場者によるSNSの口コミ!
「応援上映」とは?
本来、映画を鑑賞する際にはタブーとされている声援やペンライトの持ち込みが許可され、観客たちが思い思いの応援グッズを使い、スクリーンに向かって大声で歓声や合いの手で応援することです。映画を見ながら、ライブのように盛り上がる上映スタイルはこれまでもありましたが、「キンプリ」には「応援上映」をより楽しめるさまざまな仕組みが、制作段階から随所に施されています。
その一つが「生アフレコ」です。女の子が男の子にソフトクリームを食べさせるシーンではセリフの音声がなく、その代わりにスクリーンに「はい、ソフトクリーム、ア~ン」と字幕で表示されます。観客が作品のキャラクターの1人になりきって、セリフを読み上げられるようになっているのです。
また、観客とキャラクターの掛け合いも魅力の一つです。キャラクターの問いかけに観客どうしが自由にリアクションできるよう、キャラクターのセリフにはあらかじめ「一定の間」が用意されているのです。
SNSの口コミ「キメルる」とは?
「キンプリ」の魅力を誰かと共有したい、知ってほしい、という声がSNS上でどんどん広がり、これまで、アニメ作品に興味がなかったような新しいファンも次々と増やして爆発的なヒットにつながりました。Twitterのユーザーには、「キンプリ」を見るという行動を「キメる」と表す人までいるほどです。
リピーターは「キンプリ」中毒?
この「キンプリ」人気を支えているのは、リピーターの存在です。ファンの間でキンプリは「電子ドラッグ」と呼ばれ、来場回数は多くの観客が「10回以上」と回答し、中には50回を超える猛者もいるようです。多くの観客が応援上映に参加したり、応援グッズを作ることで「キンプリ」に愛着を感じ、応援に行かざるを得ないという中毒性を感じています。
まとめ
映画を見るだけなら映画館でなくても手軽にスマホでも見られる時代です。映画館で映画を見てもらうためには、映画館でしか体験できない価値の提供が必要不可欠となってきます。その解決策が「キンプリ」かもしれません。「キンプリ」のユニークな点は、観客の応援を前提に制作されていることです。観客の応援があって初めて完成する作品なのです。「キンプリ」が今後の映画業界の新たな基準になるかもしれませんね。