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国内外のスマホゲーム市場の分析や最新情報を発信するメディアです。著者は港区のスマホゲーム会社勤務中。

「広告」からゲームの収益を考える

今更ながら、無料のゲームがいかにして収益を上げているのかを取り上げたいと思います。

無料ゲームがお金を稼ぐ仕組みは「広告」と「アプリ内課金」です。


今回は「広告」で収益を上げる仕組みを整理していきます。

 

広告の表示形式

バナー広告
画面の上や下に設置されている横長の広告で、画面上に表示されている場合が多いです。スマホゲームで最も多く利用されている広告となっています。

アイコン広告
アイコン広告はバナー広告とは異なり、正方形の画像を表示するため、画面の占有スペースが少ないのが特徴です。

全画面広告
画面全体に大きな表示されるタイプの広告です。スマホの画面全体を占有するため広告効果は非常に高いですが、ユーザーのゲーム体験を阻害する可能性が高いため、広告を出す場所は限定されます。

動画広告
全画面広告の一種で、ユーザーに一定時間動画を見せるタイプの広告です。Youtubeなどスマホで動画を見るようになったことから普及しました。

ウォール広告
画面全体を占領する広告で、いくつもの広告をリスト形式やアイコン形式で表示します。ウォール広告は画面に表示ボタンが設置しており、ユーザーがそのボタンを押すことで表示されます。表示ボタンはユーザーの意志によって押されるため、質の高い広告といえます。

 

広告の収益タイプ

クリック課金
広告がタップされることで収益が発生します。ゲームアプリに表示されているほとんどの広告がクリック課金型となっています。

成功報酬型広告(アフィリエイト広告)
広告のクリック後に、広告主の商品・サービスが購入・申込された場合のみ費用が発生する広告です。広告主にとっては費用対効果が高く、広告を載せる側も収益性が高くなります。

 

ゲーム内広告設置のポイント

 ■シミュレーションゲームのような動きの少ない思考系のゲームでは常駐的にバナー広告を表示するのが得策です。ゲームプレイ中、ユーザーの動きが少ないため広告を見てもらいやすい傾向にあります。

■アクションゲームの場合は、ユーザーが激しい操作を行う以外のタイミングで広告を出す必要があります。具体的には、起動直後のタイトル画面、ステージクリア後の結果画面、ステージ間の推移時に広告を出すと効果的です。

 

起動直後のタイトル画面
ゲームプレイ中に必ず1回は、タイトル画面が表示されるため、
バナー広告、アイコン広告、ウォール広告の表示ボタンなどを表示しておきます。
タイトル画面に広告を表示するのは当たり前すぎかもしれません。

ステージクリア後の結果画面
ゲームをクリアした後なので、ユーザーは落ち着いて広告に目を通してくれる可能性が高いです。結果画面との兼ね合いもありますが、バナー広告やアイコン広告が適しています。

ステージ間の推移時
ステージの切り替わり時は、全画面広告を表示します。
ゲームプレイ中ですが、ステージの切り替わり時、ユーザーは手持ち無沙汰な状態となるので、広告効果の高い全画面広告が有効です。

※アクションゲームの場合、常駐的に広告を出すと、操作に夢中のユーザーは表示されている広告に興味を示さず、クリック率が下がります。クリック率が下がると、質の悪い広告媒体と評価され、1クリックあたりの単価が下がってしまいます。

 

まとめ

広告表示にも様々な種類があり、場面に応じて使い分ける必要があります。広告の単価が下がり続けている中で、今後どのような方法で収益を確保していくのでしょうか。次回は「アプリ内課金」について取り上げます。