ミクシィ、モンスト大ヒットまでの道のり
今回は、アプリ売上ランキング1位のモンスターストライクを取り上げます。
紆余曲折のあったミクシィとソーシャルゲームという言葉の変遷も合わせて振り返りたいと思います。
モンストヒットのキーワードは「リアルの友人関係」と「多人数で遊ぶ」!
そもそもの「ソーシャルゲーム」という言葉の意味
そもそも、「ソーシャルゲーム」は、Facebook(フェイスブック)やmixi(ミクシィ)などのSNSの上で友人とのコミュニケーションを楽しむゲームのことでした。
SNSでつながっている友人とのコミュニケーションの延長として、2009年にはmixiをプラットフォームとして「サンシャイン牧場」が200万人以上の利用者を集め話題となりました。
GREE、DeNAによる「ソーシャルゲーム」時代
その後、GREEやDeNAを中心にゲーム専用のプラットフォームが普及し人気を博したため、Facebookやmixiのような実際の友人とつながったSNS上の「ソーシャルゲーム」ではなく、ゲーム中心のプラットフォームであるGREEやDeNA上のゲームが「ソーシャルゲーム」と呼ばれ続けるようになりました。そして、ユーザーのデバイスはガラパゴス携帯からスマートフォンに変化していき、パズドラといったスマホゲームが人気を博しました。
「ソーシャルゲーム」ブームに乗れなかったミクシィ
ミクシィはこの「ソーシャルゲーム」のブームの流れに乗れなかった企業でした。
ゲームプラットフォームとしてはGREEやDeNAの後塵を拝し、さらにSNSとしてはFacebookに主役の場を奪われていきます。2013年5月には創業社長の笠原健治氏が社長を退き、さらに10月には決算が赤字に転落することが発表され、ミクシィは非常に厳しい局面を迎えます。
注目すべきは、モンストのリリース日が2013年の9月という事実で、まさにこのどん底の時期に開発されリリースされたサービスなのです。
「モンスト」は、ミクシィだからこそ成功した
モンストのプロデューサーである木村弘毅氏は、mixiゲームのプラットフォームも担当していた人物です。mixiの良い時期も悪い時期も経験している木村氏が、モンストを開発する際に軸としたコンセプトが「リアルの友達」と「多人数で遊ぶ」ことでした。ミクシィ社の“全ての人に心地よいつながりを”というミッションの基、従来のスマホゲームでは画期的だったスマホゲームに「多人数で遊ぶ」という要素を取り入れ開発しています。
つまり、モンストは、「リアルの友人関係」「多人数で遊ぶ」という自らの価値を信じているミクシィだからこそ生み出せたゲームであり、ミクシィからモンストが生まれたのは実は必然と言えるのです。
Cygames、基礎技術開発の体制強化を目的とした研究所「Cygames Research」を設立!
6月8日、株式会社Cygamesがゲーム開発の基礎技術開発拠点となる研究所「Cygames Research(サイゲームス リサーチ)」を設立しました。所長には慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス政策・メディア研究科特任准教授の倉林修一氏を招きました。
ゲームの企画・開発・運営事業を展開する株式会社Cygames(以下サイゲームス、本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:渡邊耕一)は、社内にゲーム開発の基礎技術開発拠点となる研究所「Cygames Research(以下、サイゲームス リサーチ)」を設立しましたことをお知らせいたします。
株式会社Cygames HPより引用
株式会社Cygames 基礎技術開発の体制強化を目的とした研究所「Cygames Research」設立のお知らせ | 株式会社Cygames
サイゲームス リサーチ設立について
サイゲームスは「最高のコンテンツを作る会社」というビジョンのもと、人々に喜びや夢を与える最高のブランドを目指すとともに、社会に多様な価値を提供することを目指しています。最高のコンテンツづくりを技術面から実現するため、倉林氏を所長にむかえ、サイゲームス リサーチを設立しました。
サイゲームス リサーチでの研究活動を通し、今後、サイゲームス自身がテクノロジー・リーダーとなり最高の技術を自ら生み出していきます。
サイゲームス リサーチが目指すもの
・「現実にインパクトを与える新しい理論」
他人とおなじことはしない。業界全体、社会全体にインパクトを与える技術、ユーザが感動する技術を生み出す理論を確立する。
・「実用と基礎研究の高速なイテレーション」
知恵の正しさはその働きが証明する。研究の実用化こそが、次の研究テーマを生み出す。
・「優秀な人材は優秀な人材のいる場所に集まる」
トップレベルの国際学会での発表を通じて、サイゲームス リサーチを、グローバルなテクノロジー・ブランドとして確立し、世界中の優秀な人材を集める。
倉林修一氏の研究活動
倉林氏の研究領域は、情報配信システム、Webシステム、データベース、マルチメディア、プログラミングと多岐に渡っています。
倉林研究室(IMELab)では、「リアルタイム性」「デザイン」「感性」という全く新しい視点から、動画像データ、音楽データを対象とし、分析・検索・可視化・自動配信を行う"感性メディア・ハブ機構"の研究に取り組んでいます。また、新しいWebサービスや、アプリケーションの設計・構築にも力を入れています。
アップル「Siri」が人助け!?オーストラリアで赤ちゃん救う
Siri、母親の呼びかけに反応し、救急車呼ぶ
アップルの音声アシスタント「Siri(シリ)」がオーストラリアで人命救助に一役かう大手柄を立てていたことがテレビニュースで明らかになりました。1歳の娘の息が止まっているのを発見した母親がSiriに話しかけて救急車を呼び、病院に運び込まれて事なきを得ました。
そのままiPhoneで電話をかけて救急車を呼べば良いと思うところですが、部屋の中でぐったりした娘のジアーナちゃんを発見した母親ステイシーさんは、手にしていたiPhoneを床に落としてしまうほど気が動転していました。そのまま娘に心肺機能蘇生を施しながら興奮して「ヘイSiri、緊急サービスにつないで」と叫ぶと、床に転がっていたiPhoneのSiriが起動し、救急車を呼ぶことができたといいます。
医師によると、肺の感染症を患っていたジアーナちゃんは、見つかった時には一刻一秒を争うような状態だったようです。
ステイシーさんはアップルへの感謝の気持ちを口にしつつ、自分がもし電話を落とさなくても、パニック状態でうまく番号が押せなかったかもしれないと振り返っています。
(ニューススイッチ参照:
アップルのSiri、オーストラリアで赤ちゃんの命救うお手柄)
日本人はやっぱりRPGがお好き?~日本のモバイルゲーム市場の特徴~
こんばんは。まえすけです。
昨日の続編です。
昨日は、日米のモバイルゲーム市場を比較しました。今回は日米比較も行いますが、特に日本のモバイルゲーム市場の特徴を取り上げます。今回も調査会社App Annieのレポートを参考にしています。
日本のモバイルゲーム市場の特徴は下記4点です。
1.日本ゲーム市場ではGoogle PlayがiOS App Storeと同程度マネタイズに成功している
2.日本のモバイルゲームプレイヤーは、米国と比べて高いエンゲージメントを示している
3.現地企業で開発されたゲームが、日本で生み出された収益の大半を獲得している
4.RPGがエンゲージメントと収益を独占している
1. Google PlayとiOS App Storeの両方がマネタイズに成功
・米国におけるゲーム収益は、多くの市場と同様にiOS App Storeに偏っている
・日本では、Google PlayとiOS App Store両方のストアが同程度好調に収益を上げている
2. 日本のアプリユーザーのゲームへの高いエンゲージメント
・日本のアプリユーザーは、ゲームの総利用時間が米国のユーザーと比べて3倍以上となっており、アプリの利用時間全体に占めるゲームの割合は、2倍以上となっている
・日本のモバイルゲームプレイヤーは、エンゲージメントが高いグループだと言える
3. 日本製アプリが日本で生み出された収益の大半を独占
・2015年、日本におけるゲーム収益の90%以上が、日本企業によって生み出された
・米国では現地企業が生み出す収益の割合は50%を下回っている
・日本に拠点がない他国のゲーム会社は、ローカライズに重点を置く必要がある
(日本人の好みのデザイン、ゲームプレイ、声優にし、ガチャでのアプリ内購入や期間限定のイベントなど、日本で好まれているゲーム手法を取り入れる必要がある)
4. 他のどのジャンルよりマネタイズの効率とエンゲージメントが高いRPG
・RPGは2015年には日本におけるモバイルゲーム収益のほぼ75%を占めている(特に、モンストとパズドラが人気であった)
・収益トップ200のゲームをすべて合わせた利用時間のうち約50%をRPGが占めている
・RPGは日本市場におけてユーザーのマネタイズの効率とエンゲージメントが高い
思うこと
今回の日本のモバイルゲーム市場の調査で、日本人はゲームが本当に好きで、特にRPGに目がないということが分かりました。RPGの歴史を振り返ると、世界最古のRPGは1970年代半ばに作られたと言われています。日本でも1980年代に「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」が人気を博しました。それ以降もデバイスは変われどRPG人気は途絶えることなく、現在まで継続しています。今後はVRの分野でRPGの本領が発揮されるのではないでしょうか。
日本とアメリカのモバイルゲーム市場をざっくり比較してみた!
こんばんは。まえすけです。
そういえば世界の人気ゲームアプリランキング(http://social-game.hatenablog.com/entry/2016/06/03/165953)については取り上げてましたが、世界のモバイルゲーム市場については取り上げていなかったですね。
というわけでゲーム市場に関する記事第一弾です。
米国の調査会社EEDARが公表したモバイルゲーム市場の統計データによると、2015年のモバイルゲームの市場規模は世界で250億ドルに増加し、プレイヤー人口は15億人にも及ぶことがわかりました。
市場規模の順位は下記の通りです。
第1位 北米の54.1億ドル(約6500億円)
第2位 日本が51.6億ドル(約6200億円)
第3位 中国が50.1億ドル(約6000億円)
第4位 韓国が13.7億ドル(約1600億円)
日本のプレイヤー人口(4580万)は、中国の約8分の1、北米の3分の1にもかかわらず、市場規模で2位となっているところが非常に興味深いところです。
そこで今回は、市場規模第1位の北米、特にアメリカと、第2位の日本をざっくりと比較したいと思います。
スマホアプリの市場データと分析ツールを提供する調査会社「App Annie」の資料を用いて、
①ダウンロード数
②ダウンロードあたりの収益
③ゲームアプリの収益シェア
を比較していきます。
①ダウンロード数
(赤色が日本、青色がアメリカ)
・2015年度、ゲームアプリダウンロード数において、米国が日本の約5倍となっている
・日本、アメリカともにダウンロード数の増加ペースにほぼ変化はない
・つまり、ダウンロード数が増えない中、新作ゲームの市場参入が続いているため、ゲーム市場は熾烈な環境となっている
②ダウンロードあたりの収益
(赤色が日本、青色がアメリカ)
・日本のモバイルゲーム市場は2014年、2015年ともに全体的な収益が米国を上回る
・日本がよりマネタイズ(特にユーザー1人あたりの収益性)の面ではるかに強力であることを示している
・総ダウンロード数は前年とさほど変わらないものの、モバイルゲームの収益は2014~2015年に25%増え、2013年と比べれば約150%増加している
③ゲームアプリの収益シェア
(白色が11位以下のゲーム、青色がトップ10のゲーム)
・2015年、全収益の約50%を収益トップ10以内のアプリが占めた
・日本ではモバイルゲームの収益は米国と比べて上位ゲームに集中している
まとめ
・日本におけるモバイルゲーム収益は増加傾向で、ダウンロードごとのマネタイズは米国よりもはるかに高くなっている
・日本におけるモバイルゲーム収益は上位のゲームに大きく集中しており、2015年には全ゲームの収益のほぼ50%をトップ10ゲームが占めた。
・日本は成功によって得られる利益が特に高い地域となっている
SnapchatがTwitterを超えた!? 使っていないあなたは、もしかして、、、30代以上? 新時代のメッセージアプリ
こんばんは。まえすけです。
突然ですが、
Snapchat、あなたは使っていますか?
えっ!? 使っていない?
使っていないあなたは、もしかして、、、30代以上?
煽っておきながら、20代の私も使っていなかったので、慌ててダウンロードしましたよ。
さて今回は、現在10代に超人気と話題のSnapchat(スナップチャット)について取り上げます。
下記はBloombergeによって発表された内容です。
米スナップチャットのメッセージアプリを毎日利用している人の数が1億5000万人に達した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。サービス開始から約4年で日次アクティブユーザー数で米ツイッターを抜いた。
※ツイッターの日次ユーザー数は1億4000万人下回る-アナリスト予想
(Bloombergeより引用:
スナップチャットのデイリーの利用者がツイッターのデイリーの利用者を超えたようですね!
それではその成長の秘訣と今後の展望について考えて生きたいと思います。
そもそもスナップチャットとは?
「Snapchat」は短文・画像・動画を共有した後、短時間のうちに消えるのが特徴のアプリです。メッセージを受けて再生すると、すぐに内容が失われてしまうという独特のUIが人気となっています。
毎日1億人以上に使われるサービスに成長
- スナップチャットは2011年9月にスタートし、現在世界中で毎日1億人以上が利用
- スナップチャット上で再生される動画は1日100億回
- アメリカの13歳~34歳のスマホ利用者の6割以上がスナップチャットを利用
なぜ人気となったのか?
ソーシャルネイティブである10代や20代前半は、不適切な行動によって引き起こされる結果(炎上)について、一定の認識を持っていると考えられます。その中で、スナップチャットの特徴である時限的な投稿という特性は、手軽に画像や動画を共有しながらもネットでの炎上のリスクを回避できるために好意的に受け入れられたのです。
総合的なプラットフォームへ成長
スナップチャットは24時間消えない共有の「ストーリーズ機能」や、コンテンツ配信チャンネル「ディスカバリー」が加わり、総合的なプラットフォームへと成長しました。
人気メディアの「ハフィントン・ポスト」はストーリーズ機能を用いて同時多発テロから料理動画まで幅広いコンテンツと専門知識を提供しています。
また、「CNN」や「Yahoo! News」はディスカバリーを利用し、ニュース動画を発信しています。
まとめ
個人の情報共有のツールとして用いられてきたスナップチャットは、現在メディアとしても大きな可能性を見出しています。若者への有力な情報発信の手段として、今後は日本でもメディアとして活用されていくのではないでしょうか。
「グラブル騒動は違法性なし」消費者庁が判断。 そもそもグラブル騒動ってなんだ?
6月4日、消費者庁は株式会社Cygamesが開発・運営を行う「グランブルーファンタジー(グラブル)」の期間限定ガチャに違法性がないと出現率などの調査を通して判断しました。
人気ソーシャルゲーム「グランブルーファンタジー(グラブル)」の有料くじで当てる希少アイテム(道具)が「多額をつぎ込んでも当たらない」と疑問視する声が相次ぎ、消費者庁が出現率の表示や設定を調査して「景品表示法違反は認められない」と結論付けたことが4日、関係者への取材で分かった。
業界団体は表示の自主規制を進めているが、専門家からは「射幸心をあおり問題だ」と法規制を求める声が根強い。
(共同通信より引用:
そもそもグラブル騒動って?
2015年末から年始にかけて「グランブルーファンタジー」の期間限定ガチャで特定のキャラクターの出現率の低さに対して運営側に利用者から批判が相次ぎ、消費者庁にまでガチャの違法性を問う連絡が寄せられた騒動のことです。
※「グラブってる?」とのCMで知られるグラブルは、魔物を倒しながら冒険するスマートフォン向けのゲームで、2016年2月にはサービス開始から2年経たずして会員数900万人を超えています。
ゲームを進めるのに有利となるSSレアと呼ばれる100のアイテムについて、この期間だけ出現率を普段の3%から6%に高くすると宣伝していた。だが、最大の目玉としていた新アイテムについては、ほとんど入手できない設定だった、という疑念が利用者の間で浮上した。
(朝日新聞デジタルより引用
このアイテムをひくまでに約70万円かかった様子が動画サイトで生中継されたこともあり、不信感を持ったゲーム利用者が、「期待させる表記をしながら出現率が大きく異なるのは景品表示法で違反とされる有利誤認にあたる」と指摘。同社への調査や規制を求める署名集めまで行われた。
(朝日新聞デジタルより引用:
騒動後、Cygamesの対応は?
Cygamesはアイテム個々の出現率は明らかにしておらず、ユーザーにより確率を変えるような設定はしていないと主張した一方で、騒動のおわびとして対象期間中にガチャで課金した全額をゲーム内通貨で返金しました。今後の対策としては、ガチャを300回(約9万円)行えば、希望のアイテムが必ずもらえるようにシステムを変更するとしました。
過去に話題になった「コンプガチャ」
過去には、「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」に対する批判がありました。コンプガチャは複数カードをそろえると希少性の高いアイテムが入手できるもので高額課金の温床となっていました。それを受け、2012年、当時の消費者担当相が「極めて射幸心をあおる」と規制方針を表明しました。
プラットフォームを運営していたグリーやディー・エヌ・エー(DeNA)は自社で開発する内製ゲームについて、コンプガチャをすべて廃止し、プラットフォーム上でゲームを配信する外部の開発会社についても、コンプガチャの全面廃止に向けてガイドラインを作成しました。
グラブル騒動の結論は違法性なし
消費者庁はアイテムがなかなか当たらない今回のケースについて、「アイテムの提供割合を説明していないからといって違法になるわけではない」と当初から慎重姿勢でした。そして、出現率の表示や設定を調査を行った結果、当初から変更なく「景品表示法違反は認められない」という結論に至りました。