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スーパーセルを買収したテンセントとはどういう会社なのか?今後の狙いとは

スーパーセルの買収やガンホーとの『パズドラ』共同開発、テンセントとはいったいどういう会社なのでしょうか。

テンセントの事業拡大の方法と今後の展開を考えていきましょう。

 

テンセントとは

 テンセントは、1998年11月に設立され、中国に本社があります。インスタントメッセージングツール「テンセントQQ」、LINEより多機能といわれる「WeChat(微信)」、中国全体でのユーザー数は最大とも言われているSNS「Qzone」、ミニブログ騰訊(テンセント)微博」などを提供しています。

テンセントはアリババと共に中国最大のIT企業の一つとも言われています。
2004年には、テンセント・ホールディングスは香港証券取引所に株式上場を果たしました。

 

テンセントのこれまでのゲーム企業に対する出資・買収

・2015年、人気オンラインゲーム「リーグ・オブ・レジェンズ」の開発元の米Riot Gamesを買収
・米ゲーム会社Pocket Gemsに6,000万ドル(約63億円)出資
・米エンターテイメント会社Glu Mobileに1億2,600万ドル(約132億円)出資
・韓国のCJ Games Corpに4億9,400万ドル(約516億円)出資

 

今回、グローバルゲーム市場で勢力拡大を図る中国のテンセントがフィンランドのゲーム会社スーパーセルSupercell)を買収しました。

 

今回のスーパーセル買収

 テンセントは6月20日、人気モバイルゲーム「クラッシュ・オブ・クラン」の開発・運営を行うスーパーセルの株式を84.3%を86億ドル(約8,990億円)で取得すると発表しました。スーパーセルは全世界で1億人のアクティブユーザーを擁しており、テンセントは欧米でのモバイルゲームを展開する大きな足掛かりを得ました。

 

まとめ

 テンセントは海外事業の拡大を急いでいます。その背景には、アジア以外での売上高の少なさにあります。今年のスーパーセルのアジア以外での売上高は20億ドル(約2,090億円)を超える見通しで、それはテンセントの昨年のアジア以外の売上高13億ドル(1,360億円)より多くなっています。

中国のゲーム市場は急成長中ですが、その勢いは減速に向かっているという声もあります。中国のゲームの市場規模は84億ドル(約8,780億円)と予測され、前年比18.4%増となっています。しかし、その成長率は2017年に8%、2018年には6.5%まで縮小する見込みです。このような状況を踏まえ、海外事業を積極的に拡大しているのです。