「ポケモンGO」がFacebookとTwitterを超えた!?驚くべき5つの数字を紹介
海外で勢いの止まらない「ポケモンGO」。既存ゲームの歴史を塗りかえ、さらにFacebookやTwitterといったSNSも超えたようです。
そこで、今回は「ポケモンGO」の驚くべき5つの数字について紹介します。
※ 前回の記事『世界30カ国以上で売上1位の「ポケモンGO」。そのゲームシステムを紹介!』では「ポケモンGO」の他にはない特徴や遊び方を紹介しました。
要点
【1】1日のアクティブユーザー数がTwitterを超える
【2】ユーザーが「ポケモンGO」で過ごす時間はFacebookよりも長い
【3】米国のモバイルゲーム至上最も1日のアクティブユーザー数が多い
【4】ユーザー1人あたりの平均売上が他のカジュアルゲームの2倍以上
【5】ダウンロード後の翌日継続率が平均の2倍以上
【1】1日のアクティブユーザー数がTwitterを超える
(画像:SurveyMonkey intelligence より引用)
SurveyMonkey intelligence によると「ポケモンGO」のiOSとAndroid上の1日のアクティブユーザー数(DAU)は7月8日に約1000万人に到達し、Twitterを超えました。さらに、7月13日、「ポケモンGO」のDAU(約2500万人)はGoogleMapsを超え、Snapchatに迫る勢いです。
(画像:Sensor Towerより引用)
平均的なiPhoneユーザーが1日に「ポケモンGO」で過ごす時間はFacebookよりも1.5倍程度長い33分25秒となっています。Twitterでは約2倍程度の長さとなっており、「ポケモンGO」の利用時間の長さが窺えます。
【3】米国のモバイルゲーム至上最も1日のアクティブユーザー数が多い
(画像:SurveyMonkey intelligence より引用)
7月11日、「ポケモンGO」はDAUが2100万人を記録し、「キャンディークラッシャー」が2013年に達成したといわれるピーク値を超えました。米国以外のモバイルゲームの歴史に名を刻むのも時間の問題となりそうです。
【4】ユーザー1人あたりの平均売上が他のカジュアルゲームの2倍以上
(画像:SurveyMonkey intelligence より引用)
「ポケモンGO」のDAU1人あたりの平均売上(約0.25ドル)は他のカジュアルゲームの平均売上(約0.11ドル)の2倍となっています。DAU1人あたりの平均売上が多いと言われる「キャンディークラッシュ」よりもさらに大きくなっています。
【5】ダウンロード後の翌日継続率が平均の2倍以上
(画像:SurveyMonkey intelligence より引用)
「ポケモンGO」のダウンロード後の翌日継続率(約75%)は一般的なゲームの平均(約30%)の2倍以上となっています。一般的なゲームではアプリをダウンロードした翌日に10人中3人しかゲームに戻ってきません。それに対し、「ポケモンGO」ではダウンロードした翌日に10人中7人が戻ってくるという驚異的な数字を記録しています。
まとめ
今回は数字の観点から 「ポケモンGO」を見てきました。「ポケモンGO」はこれまでのモバイルゲームの歴史を塗りかえるだけでなく、FacebookやTwitterといったSNSの巨人にも打ち勝っています。どこまでこの勢いが続くのか、今後の動向にも注目です。
「キャンディークラッシュ」で有名なKing社の歴史を振り返る!
関ジャニのCMでもお馴染みの「キャンディークラッシュ」。
今回は「キャンディークラッシュ」で有名なKing社(King Digital Entertainment PLC)の歴史を振り返っていきます。
目次
【1】King社とは
【2】創業から「キャンディークラッシュ」の配信まで(2003年~2012年)
【3】「キャンディークラッシュ」全盛期(2012~2014年)
【4】「キャンディークラッシュ」衰退期と買収(2014~2015年)
【5】買収後(2016年~)
【1】King社とは
(画像:キング社HPより引用)
King社(キング・デジタル・エンターテインメント)はイギリスにあるモバイル向けゲームコンテンツの制作会社です。同社は2003年に設立され、2012年4月に代表作ともいえるパズルゲーム「キャンディークラッシュ」を配信し、総ダウンロード数 5億件を超え66カ国で無料総合1位を獲得しています。
【2】創業から「キャンディークラッシュ」の配信まで(2003年~2012年)
King社はマッチングサイト「uDate.com」の同僚であったRiccardo Zacconi氏とToby Rowland氏を中心に2003年にスウェーデンで設立されました。
オンラインゲームの開発を行い、その中でFacebookゲーム、モバイルゲームに注力していきました。
【3】「キャンディークラッシュ」全盛期(2012~2014年)
(画像:Social Game Infoより引用)
スマホゲームに注力し、売上高は2000億円に
2009年度の売上高は約6000万ドル(約56億万円)でしたが、2012年に「キャンディークラッシュ」のリリースを境に増収し、2012年の売上高は約1.64億ドル(約144億円)、2013年の売上高はさらに増加して18.8億ドル(約2000億円)となりました。
大幅に売上高が増加した理由は、2012年以降、同社はスマホ向けゲームに力を入れたからです。2012年のモバイルの売上高は1600万ドル(売上構成比率約10%)、2013年では前年比約84倍増の13億ドル(同比率約70%)となりました。2012年7月から2年半で5タイトルリリースし、同社のスマホ向けゲームは累計5億ダウンロードを超えています。
1日当りの平均アクティブユーザー数(DAU)は1億2800万人
2013年12月、1日当りの平均アクティブユーザー数(DAU)は1億2800万人となりました。内訳は「キャンディークラッシュ」が9300万人、「ペットレスキュー」が1500万人、「ファームヒーローズ」が800万人、「パパピンボール」が500万人、「バブルウィッチ」が300万人となっています。
【4】「キャンディークラッシュ」衰退期と買収(2014~2015年)
(画像:King社決算資料より作成)
好調な業績を受けて、2014年3月、同社はニューヨーク証券取引所に上場しました。また、同年同月、King社の日本拠点となる「King Japan」オフィスを開設しました。
しかし、同社の売上高は2014年第1四半期から下降傾向で、DAUは2015年第1四半期より下降傾向にあります。「キャンディークラッシュ」の売上高減少が大きく、さらに同タイトルを超えるようなヒット作が生まれなかったためです。
2015年11月には、米ゲームソフト大手Activision Blizzard社(※)により59億ドル(約7120億円)で買収されています。
※Activision Blizzard社は、人気の高いミリタリーシューティングゲーム「Call of Duty」シリーズやファンタジーゲーム「World of Warcraft」を手がけています。
【5】買収後(2016年~)
(画像:Google Playより引用)
最近では、King社は、7月13日「ファームヒーロー」の姉妹作である「ファームヒーロー・スーパー」の日本語版の配信を開始しました。「ファームヒーロー・スーパー」では、田舎の農場を舞台に、コンテストの賞金を独り占めしているランシッドを倒し、平和を取り戻すストーリーが展開されています。オリジナル作である「ファームヒーロー」と同じ農場を舞台としたパズルゲームです。
まとめ
King社は「キャンディークラッシュ」のヒットにより成長しました。しかしながら、その後は、同タイトルを超えるようなヒット作を生み出すことができていません。同系統のゲームタイトルが並び、新規のユーザー獲得というよりも既存ユーザーからユーザーを獲得するという状況だと考えられます。King社のさらなる飛躍には、異なる分野のゲーム開発が不可欠なのではないでしょうか。
世界30カ国以上で売上1位の「ポケモンGO」。そのゲームシステムを紹介!
世界中で異例の大ヒットを記録している「ポケモンGO」。アプリやゲームの情報サイト「Social Game Info」によると、「ポケモンGO」は北米や欧州をはじめとするAppStoreで配信中32カ国すべての売上ランキングで首位になりました(7月18日)。
そこで今回は、その大ヒットの秘訣である独特のゲームシステムを紹介します。
「Ingress」を開発したNIANTIC社との共同開発
(画像:Pokémon GO公式サイトより引用)
「ポケモンGO」は、ポケモン社が任天堂社と位置情報ゲーム「Ingress」を開発したNIANTIC社の2 社と共同で開発したスマホゲームです。「Ingress」の位置情報技術を活用することにより、モニターの中だけで完結せず、プレイヤーは実際に家の外に出てポケモンの捕獲やバトルといった体験ができます。
※「Ingress」とは、2 つの陣営に分かれたプレイヤーが、位置情報を利用して実際の街を歩き、競い合うことによって進行する世界規模の陣取り合戦ゲームです。世界で1300万ダウンロードを記録しています。
「ポケモンGO」の遊び方を紹介!
ここから、ゲームの遊び方を紹介します。
▼主人公を男女から1人選び、服装や髪型をカスタマイズせよ!
(上記両画像:【ポケモンGO】最初にピカチュウを捕まえる方法!!【日本未配信】 - YouTube参照)
▼街に出かけてポケモンを探せ!
(上記両画像:同上)
「ポケモンGO」の起動中、ポケモンが自分の近くに現れると、スマートフォンが振動して知らせてくれます。
(上記3画像:同上)
マップ上に現れたポケモンをタップすると、ポケモンと遭遇。画面を通して、実際の風景の上に現れたポケモンに、画面上のモンスターボールをスワイプして投げると、捕まえることができます。
▼ポケモンを捕まえて、図鑑の完成を目指せ!
(画像:GIGAZINEより引用)
「ポケモンGO」の世界には、たくさんのポケモンが登場します。目指すは、ポケモン図鑑の完成です。ポケモンをたくさん見つけて、捕まえることにより、ポケモントレーナーとしてのレベルが上がります。ポケモントレーナーとしてのレベルが上がると、強いポケモンに遭遇できるようになります。
▼ ポケモンバトルでジムを守れ!
(画像:Google Playより引用)
「ポケモンGO」ではポケモントレーナーたちは、3つのチームに分かれてバトルを繰り広げ、ジムを取り合っています。プレイヤーはどれか1つのチームに参加できます。チームに参加するとジムに所属することができ、自分と同じチームのプレイヤーと協力しながら、自分たちのジムを守ります。
まとめ
ここまで世界的に大ヒット中の「ポケモンGO」の独特の特徴や遊び方を紹介しました。「ポケモンGO」人気の背景には、ポケモンという世界的IPの利用だけではなく、NIANTIC社の位置情報活用という側面もあります。「ポケモンGO」はたまたま上手くいっているのではなく、裏打ちされた企業間の協力があるのです。
【週刊GamePicks】~この1週間(7/11~7/15)のゲーム業界を振り返る~
「週刊GamePicks」はこの1週間(7/11~7/15)のゲーム業界注目のニュースをランキング形式で紹介します!
第1位【LINE、ニューヨーク証券取引所と東京証券取引所1部に上場】
LINE日米上場、初値で時価総額1兆円超-アジアで成長目指す - Bloomberg
“韓国色”濃いLINE、IPOで飛躍なるか 直近の決算は赤字も、魅力の収益バランス (1/4ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)
第2位【ポケモンGO、米・英・独・豪など配信国すべてで売上首位獲得】
『ポケモンGO』がドイツのGoogle Playの売上ランキングでも首位獲得! 快進撃続く 全配信国のアプリストアを制覇 | Social Game Info
世界はなぜ「Pokémon Go」に夢中なのか、その心理学的な理由|WIRED.jp
第3位【ドラゴンボールZ ドッカンバトル、7か国のApp Storeで売上首位に!】
「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」が7か国のApp Storeセールスランキングで1位に - 4Gamer.net
▼その他ニュース
『ナルティメット』シリーズ初のスマホゲーム『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットブレイジング』が配信開始に!|ゲームエイト
ブループリント、VR対応のiOS/Android向け3DSTG「Motivator」を配信!ゲームフレームワーク「VRUE(ブルー)」を開発|Gamer
「神撃のバハムート」×「アイドルマスター シンデレラガールズ」コラボが7月16日より開催決定|Gamer
KLab、パブリッシング事業の第一弾アクセルゲームスタジオと提携 新タイトルの共同開発に着手 | Social Game Info
「ファントム オブ キル」,繁体字版が台湾/マカオ/香港で2016年夏に配信 - 4Gamer.net
ドリコム、第1四半期の営業益予想を0→2億3000万円に上方修正、黒字転換に…アニメ版権ゲームやフルボッコの他社IPとのコラボが好評【追記】 | Social Game Info
「ゲーム開発者のためのYoutube活用戦略」 from Google for Mobile
今回の記事は7月13日に横浜で開催されたGoogle for Mobileのプログラムのひとつ「ゲーム開発者のためのYoutube活用戦略」の講演を元に作成しています。
タイトルにある「ゲーム会社」と「Youtube」、一見関係性がなさそうにみえる両者。しかし、非常に密接な関係となっています。
現在、Youtubeの世界チャンネル登録者数ランキング上位100チャンネルうち21チャンネルがゲームを中心に取り上げてます。
(画像:YouTubeランキングより引用)
日本のチャンネル登録者数ランキングでも第4位はゲーム実況チャンネル「HikakinGames」です。
ゲーム会社にとってYoutubeはファンに働きかけるための新たなツールとなっているのです。
そこで今回、ゲーム会社が自社のゲームをより広く知ってもらい、プレイしてもらうためにYoutubeをどのように活用すべきなのかを紹介します。視聴者が「動画を認知する段階」「動画に興味をもって視聴する段階」「チャンネル登録や再訪をする段階」の3段階に分けて考えていきます。
動画を認知する段階
視聴者が「動画を認知する段階」では「視聴者に何の動画なのかを理解してもらいやすい仕様にすること」、「Youtuberとコラボすること」と「Youtuberに自社コンテンツを使った動画作成を許可すること」が大切です。
▼視聴者に何の動画なのかを理解してもらいやすい仕様にする
利用率が高いモバイルでも視聴者に何の動画なのかを理解してもらうために、解像度が高く、ズームインされたサムネイルを使用します。また、内容がわかる動画タイトル、説明文を取り入れることも重要です。
(画像:League of Legend - YouTube)
「League of Legend」のアイコンは解像度の高いパッケージを使用することで、モバイルでもはっきりとわかる画像を使用しています。
▼Youtuberとコラボをする
Youtubeで他のクリエイター(Youtuberなど)と積極的にコラボレーションすることで、標準的な広告よりも注目度と露出度を高めることができます。必ずしも自分の動画だけでなく、他のクリエイターと行うことでそれぞれにないファン層の獲得に繋がります。
ユービーアイソフト社は「Assassin's Creed Unity 」の発売に合わせてDevinSupertrampと協力し、数千万回もの視聴回数を獲得しました。
▼Youtuberに自社コンテンツを使った動画作成を許可する
Youtuberがゲーム会社のコンテンツを用いて動画を作成し、Youtube上での投稿することで、ゲームに関するコンテンツを様々な人の目に触れる機会を増やします。
多くのチャンネルがマインクラフトの映像を使用して、動画を作成しています。
※ゲーム制作会社の多くはYoutubeや他のオンライン動画サイトで自社コンテンツを使用する条件について明確なガイドラインを公開しています。
動画に興味をもって視聴する段階
視聴者が「動画に興味をもって視聴する段階」では「ライブ配信を積極的に利用すること」と「自社コンテンツを紹介してくれたYoutuberを積極的に紹介すること」が重要なポイントとなります。
▼ライブ配信を積極的に利用する
ライブ配信は、見逃せないイベントを作り、リアルタイムでファンをひきつけることのできる優れた方法です。
LoL Esportsは頻繁にライブ配信することで、チャンネルの視聴者を獲得し、eスポーツのファンにアプローチしています。
▼自社コンテンツを紹介してくれたYoutuberを積極的に紹介する
新しい動画の公開が困難な場合も再生リストやチャンネルのセクションを使い、ファンの動画を自分のチャンネルで紹介することで、ファンにアプローチします。
自社ホームページ内にYoutubeプレーヤーを埋め込み、お気に入りの動画を取り上げることも可能です。
(画像:クラッシュオブクラン(クラクラ)公式 - YouTubeより引用)
スーパーセル社は、他のクリエイターの動画を自社ゲームのチャンネルページで紹介しています。このように人気クリエイターの動画を活用することで、アップロードできないときもチャンネルを活発な状態に保つことができます。
チャンネル登録や再訪をする段階
視聴者が「チャンネル登録や再訪をする段階」では「1つのゲームタイトルでも様々なジャンルのコンテンツを紹介すること」と「定期的にアップロードすること」が不可欠です。
▼1つのゲームタイトルでも様々なジャンルのコンテンツを紹介する
ゲームプレイ、ヒントやコツ、登場人物の紹介、制作の裏側など多彩な要素を盛り込み、ファンが繰り返し訪問したくなるチャンネルにすることも大切です。
エレクトロニック・アーツ社は同社のFIFAチャンネルでゲームのヒントやコツを定期的に配信しています。
▼定期的にアップロードする
毎日あるいは毎週のように定期的なアップロードをすることで、ファンに「何曜日にここに来よう」という習慣を作り、チャンネル登録や再訪に繋げます。
(画像:Fan Friday!! - Zero Escape: Zero Time Dilemma - YouTubeより引用)
Jesse Coxは毎週金曜日に、公開するエピソードの中でファンからのリクエストが最も多かったゲームをプレイすることで定期的に自分のページに訪問するように促しています。
まとめ
成功したゲーム関連チャンネルの共通点は”視聴者とのつながり”を構築し、熱心なファンをリピーターとして取り込んでいることです。今回は取り上げていませんが、日本のYoutubeチャンネル登録者数ランキング第1位の「はじめしゃちょー」や同第2位の「HIKAKIN」といったトップYoutuberは、視聴者のコメントを動画内で紹介したり、視聴者プレゼントやファンイベントを行っています。また、動画は毎日更新されています。いかに「視聴者を巻き込む」のか、「視聴者の居場所を提供できる」のかがYoutube上で人気となる鍵となっています。Youtube上での人気はリアルでも反映されるため、Youtube上で勝てるかどうかがゲーム会社の未来を左右するといっても過言ではないでしょう。
海外展開を急ぐ、ネットマーブルゲームズ社。その背景にあるものとは?
今回は、ネットマーブルゲームズ社の現在のゲームタイトルの海外状況、海外を目指す理由、今後の動向について記載します。
▼ネットマーブルゲームズ社の概要はこちら
韓国のスマホゲーム売上ランキングトップ3を独占するネットマーブルゲームズ社とは? - Game Picks
ゲームタイトルは海外でも順調
台湾、タイなどアジア主要国家の売上上位10位圏内に「みんなのマーブル」、「セブンナイツ」、「マーベル・フューチャーファイト」などネットマーブルゲームズ社のモバイルゲームが位置付いています。
「マーベル・フューチャーファイト」はGoogle Playがアメリカ、日本、イギリス、台湾など88カ国でダウンロード数、売上、ユーザー評価などアプリのクオリティを基に評価した「2015年最高のゲーム」の1つに選ばれ、全世界的な人気とクオリティの高さを同時に認められる快挙を達成しました。
グローバル市場を早急に目指す理由は中国企業の台頭
中国ゲーム企業は、ここ数年、内需の増加に伴い売上を伸ばし、成長してきました。多額の資金余力があり、その資金を使って世界市場を狙っています。強大な資本力で世界の開発人材と良好な知的財産権(IP)を買い入れている現状があります。直近では中国のテンセント社が「クラッシュ・オブ・クラン」で知られるフィンランドのスーパーセル社を買収しています。
IPOによる資金調達と買収でグローバル展開を加速する予定
ネットマーブルゲームズ社によると、韓国での株式上場(IPO)を通じて資本競争で負けない体制を作り、海外の競争力ある開発会社を積極的に買収合併M&Aするようです。上場時期は2016年末か2017年初めが有力と言われています。また、世界的なブランドに成長するために米国ナスダックへの上場も視野に入れています。上場後に時価総額10兆ウォン以上にするために実績の良い海外の優良ゲーム会社を買収していくとも言われています。
イスラエルのゲーム会社「プレイティカ」買収か?
ネットマーブルゲームズ社は、イスラエルに本社を置く世界的なモバイルゲーム会社「プレイティカ」の買収戦に飛び込みました。予想買収価格は最大40億ドル(4兆6000億ウォン)台に達し、買収・合併(M&A)が実現すると、国内ゲーム業界で史上最大規模になる見通しです。
※プレイティカ社は、ソーシャルカジノ業者とも呼ばれ、Facebookなどのソーシャルネットワークサービス(SNS)や携帯電話アプリケーションなどを介して楽しむモバイルゲーム専門企業です。スロットマニア(Slotomania)をはじめ、カジノポーカーやビンゴなど、主にギャンブルゲームを提供しています。
まとめ
ネットマーブルゲームズ社は、昨年に年間売上1兆ウォンをこえて急成長中です。売上に占める海外割合も約半分あり、市場の拡大が見込みにくい韓国市場から海外市場に勝負をかけています。IPOによって 資金を調達し、積極的に海外のゲーム開発会社や知的財産権の獲得に動いています。今後、台頭する中国企業に対抗していくことになるでしょう。
韓国のスマホゲーム売上ランキングトップ3を独占するネットマーブルゲームズ社とは?
日本のスマホゲーム売上ランキング上位の企業は様々です。
それに対し、韓国のスマホゲーム売上ランキング(Android)ではネットマーブルゲームズという企業がトップ3を独占しています。
さて、ネットマーブルゲームズ社とはどのような企業なのでしょうか。
今回は同社の概要と主要ゲームタイトルについて記載し、次回は同社の今後の動向について取り上げます。
ネットマーブルゲームズとは
(画像:ネットマーブルゲームズ社HPより引用)
ネットマーブルゲームズ社はゲーム業界初のPCオンラインゲームのパブリッシングを開始した韓国最大規模のオンラインゲーム企業です。2000年3月に設立され、その年の11月から開始したゲームポータルサイト「ネットマーブル」は現在、会員数3500万人を有する国内最大規模のオンラインサービスとなっています。PCオンラインゲームから始まり、現在はモバイルゲームの開発に注力しています。
海外事業にも積極的で、日本、アメリカ、トルコ、タイなど7ヵ国の海外法人や海外パートナー社とともにグローバル展開を進めています。
(画像:App Annieより作成)
また、同社は、App Annieが発表した2015年のグローバル売上パブリッシャーランキングで世界8位となりました。日本企業ではトップ10にミクシー社、ガンホー社、LINE社がランクインしています。
(画像:アプリオンより作成)
1位「すべてのマーブル」
(上記両画像:アプリオンより引用)
サイコロやカードを使ったカジュアルボードゲームで、人生ゲームのスマホ版といったところです。老若男女問わず誰でも簡単に楽しめるゲーム性で世界中で2億ダウンロードを達成しています。
2位「ストーン・エージ」
(上記両画像:アプリオンより引用)
ほのぼのとしたキャラクターが繰り広げるわかりやすいバトルシステム、パーティによる戦闘は、チャットやカップル制度など他のプレイヤーとの交流が特徴となっています。
3位「セブンナイツ」
(上記両画像:アプリオンより引用)
高品質のグラフィックスで展開するリアルタイムターン制バトルが特徴となっています。レイドバトル(最大4人同時で挑戦するクエスト)なので仲間と協力してモンスターを倒します。
韓国のゲーム会社が現地のプラットフォームでなく、独自のサービスで日本のアプリ配信サイト第7位まで上昇した唯一のタイトルです。日本のセブンナイツは韓国バージョンとは異なり、日本のユーザーに親しみやすいコンテンツとなっています。
※韓国ゲーム売上ランキング(Android)トップ20には同社の「モンスター飼いならす」、「百発百中」、「MARVEL Future Fight」なども入ります。
まとめ
ネットマーブル社は韓国のゲーム業界において先駆者的な存在です。PCゲームから始まり、モバイルゲームにおいても業界のリーディングカンパニーとなりました。現在、その同社が海外事業に非常に力を入れています。
次回、海外事業を含めた今後の動向について取り上げます。